2006年09月27日
家の解体(家づくりその1)
click!お施主さまの了解を得まして、工事の状況を連載レポートします。
ご厚意に深く感謝いたします。
さて、「Tさんの家」は風薫る5月から打ち合わせ、週末ごとにお会いして、納得のゆくまで入念にプランづくりをしてきました。
先日から、旧家屋の解体工事が本格的に始まりました。
旧来の「ミンチ解体」とは違い、建築廃材も「分別」して回収します。
今回は、梁と柱を取り置いて、新しい家の化粧梁やベンチ、木塀、木道などに使います。
その他にも、いくつかの材料を新しい家に使います。
何でも捨ててしまうのは、もったいないですからね。
「Tさんの家」のテーマは、自然素材で快適生活です。
人が感じる快適さを、五感とともに、骨、筋肉、そして足の裏で感じるように工夫しています。
その工夫は、連載で少しずつ明らかにしてゆきます。
お楽しみに
2006年10月05日
庭の引っ越し(家づくりその2)
click!「Tさんの家」では、旧家屋の解体が終わり、樹木の移植と、庭石の一時搬出、仮置きが行われました。
造園をお願いしているのは、いつもお世話になっている大三さんです。
花博の時も、すばらしい庭づくりをしてくださいました。
そのセンスは「芸術の域」に達しているとの声も聞かれるほど。
現場は、ピシャリと厳しく。それがまた凛として、心地よいです。
ボクにとっては、大変心強い味方です。
2006年10月11日
敷地測量(家づくりその3)
click!「Tさんの家」の測量に行ってきました。
平板測量というこの測量方法は、目と定規(アリダード)でおこなうものです。
ローテクだけど機械の操作がないから、絶対に間違えない優れものです。
それでいて、なかなか正確な測量ができるので、たいしたものです。
今回も、入政建築さんに「違う現場」なのにお借りしました

こころが広いな〜。ホント、尊敬しちゃいます。
現場は途中で雨が落ちてきてしまい、引き上げてきました。
段取りはしてきたので、明日はスムーズに測量できそうです。
明日は地盤調査も行われるので、またレポートします。
2006年10月12日
地盤調査(家づくりその4)
click!「Tさんの家」で、測量、レベル計測、ベンチマークの設定、地盤調査を行いました。
測量は、土地のカタチと大きさを測ります。
レベルは、土地の高さを必要なポイントの分だけ測ります。
ベンチマークは、工事するとき、高さの基準点となるものです。
さてさて、地盤調査って家を建てるとなると、よく耳にします。
これは、やっておいた方が良いです。
簡単にいいますと、その土地が、沈んでしまう土地か、沈むとしたら沈み方はどうか、というのを調べるのです。
建物を建てると、土地に重さがかかります。
木造の2階建ての瓦屋根の家だと、1平方メートルあたりおよそ1.5トン。
荷物を入れて実際に生活をしたときの重さです。結構、重いでしょ。
この重さがかかったときに、ズブズブと沈んでは大変です。
まして、傾きながら沈んじゃうと、勝手にビー玉が転がる家になります。
地盤調査の結果、沈みそうな(傾きそうな)土地の場合は、地盤改良を行います。
また、地盤調査に、プラス数万円で10年の地盤保証を付けられます。
免責事項が多いのですが、自然に沈んだら直す費用は出してもらえます。
直すとなる、高級外車が買えるくらいですから入って損はありません。
家は建ったけど、傾かないように「転ばぬ先の杖」ですね。
2006年10月19日
構造計算(家づくりその5)
構造計算は、家づくりで専門家まかせになる部分です。わが家は大丈夫なのか、不安に感じますよね。不安に感じたら、建築士に聞くのが一番です。数字が何を意味するのか、それを聞くだけでも安心感につながると思います。
でも聞く前に、予備知識

木造*では、(1)壁量(壁の強さ×長さの合計)、(2)柱の接合金物、(3)壁のバランス、という構造計算があります。
(1)目標の数字に達するように計算すれば、あまり問題ないところです。
目標の数字は、以下の等級がわかりやすいと思います。
「等級1」は、建築基準法の1.00〜1.24倍の強さ。
「等級2」は、同1.25〜1.49倍。
「等級3」は、同1.50倍〜。
目標とする数字は、できれば「等級3」にしておく方が良いです。
ちなみに静岡県では、1.32倍〜でないといけません。
(2)上が決まれば、おのずと計算できます。
その通りに、金物を使用すれば問題ありません。
(3)これ重要です!「計算のしかた」と「目標値」で、大きく性能が違ってきます。
計算のしかたは、「フォーブロック法」と「偏心率」。
前者は簡易計算ですので、必ず「偏心率」で計算してもらいましょう。
「偏心率」は、「建物の重心」と「建物の剛心」のずれを計算します。
0.3以下なら法的にはOKなのですが、できれば0.2以下にしたいところです。
この数字が大きいと、地震で建物がねじれて揺れるので、(1)の結果がいくら強くても危険なのです。
まさに、バランスが大切なのです。
ちなみにウチでは、0.2以下をOKとしてますが、0.1以下を目標にしています。
かなり厳しいですが、この方針を貫いています

*木造でも、規模や用途によって計算方法が変わってきます。
2006年10月20日
確認申請(家づくりその6)
今日は、確認申請書類の総仕上げです。机の上は、MacとWinのキーボードとマウス、参照の書類で、いつも以上にグチャグチャです

完成させて、明日お客様のところへお持ちします。
できるだけ変更がでないように、細部まで入念に調整しています。
今日はそんなわけで、遅くなりそうです。
さて、この申請を出して「確認済証」をいただくと、いよいよ工事に入れます。
明日は、地鎮祭。
工事の安全をお祈りします。
2006年10月26日
地盤調査2(家づくりその7)
click!地盤調査の第2弾です。
なんで2回も?それは、次へのステップ「地盤改良」のためです。
1回目のスウェーデン式では、全てのポイントで地盤が10m以上の深さまで「ゆるい」ということがわかり、地盤改良することになりました。
通常で行けば、杭を支持層(固い地盤)に達するまで打たなくてはいけません。
これには、かなりコストがかかります。
また、そのためには「標準貫入試験」という地盤調査を再度行います。
さて「Tさんの家」は、借地に建てる家です。
退去時に杭を撤去することを踏まえると、杭は打てません。
撤去するだけで、大変な金額になるからです。
そこで、「浮き基礎工法」を選択しました。
その名の通り、基礎を浮かせるという工法です。
新宿副都心に立ち並ぶ高層ビル群でも、この方式を採用しているのです。
あれだけの荷重が、沈まないようにするわけですから、住宅など軽いものです

この工法は、地盤改良だけでなく、他にもメリットがあります。
・杭より少しコストが安い
・幹線道路や線路などからの振動を抑える
・微弱な地震からでも免震できる
こうした性能を十分発揮できるように、その地盤の密度を正確に測る必要があるのです。
それで、今回の地盤調査「表面波探査法」です。
右側の起震機で振動を起こし、真ん中と左のセンサーに伝わる時間差を測るもの。
周波数を変え、深さ10mから表土まで計測できるのです。
ハイテクですね〜

さて、「浮き基礎工法」ってどうやって浮かせるの?
それはまた、施工するときにご紹介します
2006年11月08日
いよいよ着工(家づくりその8)
click!「Tさんの家」は今日、いよいよ着工です

まずは地業(ちぎょう)という、コンクリートの基礎の下の工事です。
地味ですが、大切な工事です。
さて、設計事務所の家づくりの特徴は、「工事」と「監理(チェック)」が分離していることです。
「工事」は工務店が取り仕切り、それを設計事務所が「監理」します。
なので、工務店の現場監督と、設計事務所の監理者のダブル・チェック。
これ実は大事なことで、ハウスメーカーや工務店に頼んじゃうとできないことです。
設計事務所の仕事って、設計やデザインだけじゃないんですね〜

お客さまに代わって、ひとつひとつの工事を、厳しいプロの目でチェックすること。
それと、最善最良の施工方法についても、頭をひねっているんですよ
2006年12月08日
基礎着手(家づくりその9)
click!浮き基礎工法を選択したTさんの家。
その基礎に、着手できるところまで漕ぎ着けました。
この基礎の仕様は、この土地に最適です。
少し時間が空いてしまって、ご心配をおかけしましたが、
待っただけの価値があると思います。
さて、今日の作業は、遣方(やりかた)です。
基準になる基準点と、建物の位置を出します。
それが終わると、根切りという土を掘る作業です。
今回の基礎屋さんは、キッチリと段取りを取るタイプ。
仕上がりの精度(コレ重要!)も期待できそうです
2006年12月13日
浮き基礎(家づくりその10)
click!Tさんの家で、浮き基礎工法=地盤置換工法「コロンブス」の施工が始まりました。
※この工法は、地盤の柔らかな層が厚くあることや、
支持地盤に大きな傾斜がないことが、前提条件です。
この敷地ではベストチョイスでも、他では違うこともあります。
さて、地盤の柔らかな層が厚い場合、一般的には「鋼管杭」を採用します。
支持層(堅い層)を見つけて、何本もの杭を打ち込みます。
しかし将来、立て替えの時は、杭の頭をカットして、無かったことにします...

つまり、埋めたまま廃棄です。
全くサスティナブルじゃないですね。
では、「コロンブス」はどうでしょうか。
click!この発泡スチロールで、土を「置換」します。
もちろん、立て替え時に撤去可能です。
その仕組みはというと、
(建物の総重量)=(排出する土の重量)−(置換する材料の重量)
となるように計算します。
click!建物が乗ってないときと、同じ状態にするわけです。
理論上、沈まない=不同沈下(傾きながら沈むこと)が起こらない、ということになります。
でも、発泡スチロールって、なんだか心配ですよね。
魚の入った箱のように、もろい感じも...。
しかし、土木の分野では、こうした工法で1972年から使われているそうです。
また、土の1/100の質量でありながら、
鉄筋コンクリート造4階建てを支える性能を持っています。
木造2階建てなら、軽いものです。
それと、副産物として、発泡スチロールが振動を減衰させることから、
免震工法としても、国土交通省に評価されています。
一般的な免震装置は大きな揺れでないと効果がありませんが、
「コロンブス」は微弱な振動も減衰するので、
交通振動の対策としても役立ちます。
しかし、コストは予想以上に掛かります。
そのことを含め、採用には専門的な判断が必要です。


