上棟。

たかだい

2012年10月05日 10:16

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磐田市「見付の家」が、上棟しました。

先日の基礎配筋検査の際には、検査員から「ちょくちょく現場を見に来たい」という
異例の発言をいただいた「見付の家」ですが、いい感じの形が見えてきました!


さて、これは建て方の1日目。

ちょうどお昼前だったのですが、2階床梁まで出来ていました。


ペニンシュラ状に突き出た部分が、ガレージとなります。
スキーや自転車のメンテナンスや、アウトドアの道具を収納します。


2階床梁を上空から見るとこんな感じです。
剛床(ごうしょう)を形成するため、剛天井のような梁がかかります。


今回の大工さん(手前、後ろ姿)は、若いのですが凄腕の森島君にお願いしました。

上棟の手伝いにきてくれた大工さんたちも、森島君の人柄のつながりなので、
穏やかで、丁寧、とてもいい仕事をしてくれました。


で、これが南側の軒を支える化粧梁。

スパンが飛んでるので、かなりの重量で、3人掛かり+助っ人1人で
やっとこさ、吊り入れました。


それと同時に「めかたぎ」といって、建物の垂直を出している2人。

水色のヘルメットの人は、ボクの自宅の建て方にも来ていただいた大工さん。
いろんな現場で繋がっています。


建て入れ直しに、こうして材料を突っ張ってすることも。

2階の大工さんが動くとズレるので、固定の間は止まってもらいます。
おかげで完璧な垂直性を出すことが出来ました。


さて2日目の夕方。

現場に通ずる交差点を曲がると、どーん!
車内では、所員の白柳君の歓声が上がります。


ガレージ部分が北側の敷地境に追従して、13.5度角度が振れています。

それとあわせ、玄関ポーチが直交していきますから、動きのある建築になっています。

しかし、普通はこういう斜め壁、構造計算も施工も大変なので、やらないでしょうね。
敷地いっぱいを使いたいという人・建築設計所には、割と多いのですよ。


近づくと、う〜ん、シビレます!

屋根の勾配は、人・建築設計所オリジナルの勾配なので、他で見ることはないと思います。

5寸勾配とか、3寸とかの整数ではなく、小数点以下2桁!
○.○○寸勾配。

数学的に美しく、形状がきれいな勾配で、伝統的日本建築や
数寄屋建築に、これに限りなく近い勾配が使われています。


それと「見付の家」は、人・建築設計所で初の「天空率」物件となりました。

斜線制限という高さ制限が、あるのをご存知ですか?
これによって、建築の高さを制限して、健全な環境に配慮するというもの。

しかし、建物の一部がかかっても、その部分を切り取らなくては行けません。

東京へ新幹線で行くと車窓から、みんな一律に屋根がカットされている
変な形の屋根形状を見たことがあるでしょう?

斜線制限によって、残念なデザインになっているのですよ。

デザインも建物の価値を高めるものですから、天空率にチャレンジしました。
チャレンジというのも、条件の設定の擦り合わせと計算が大変なのです。

所員の白柳君が、頑張ってくれました。


さて、そんなこんなで、手の混んだ設計をしています。

お客さまにも、図面を読む力があって、初めて実現できるのだな〜と、
非常に良い方に恵まれたと思っています。

夕暮れの屋根の上は気持ちよかった。

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