左官中塗り、特別な窓。
先日の土曜日は、静岡市「大岩の家」の現場監理でした。
外壁の左官仕上げ、その中塗りがされていました。
この上に仕上げとなる「砂漆喰」が塗られます。
この砂漆喰、真っ白の漆喰の中に、グレーの小さな粒が見えます。
この粒を揃えるために、目の細かい篩(ふるい)をかけます。
落ち着いた白になります。
仕上がりが楽しみです。
さて、窓の位置には細心の注意を払って、設計しています。
窓は、開放感を与えるだけ、ではありません。
人の動きを上手に引き出してくれたり、安心感を与えたり、
広さを感じさせてくれるものだからです。
このキッチンの窓、目の前に隣のアパートが敷地いっぱいに迫っています。
そのため、壁を飛び出して作って、目隠し、
左右の小窓から光と風を引き入れます。
光を感じるには、壁が明るくなる必要があるので、
真ん中が手前にふくらんだ曲面になったアールの壁としています。
階段のあがりきった先には、公園の緑を切り取る窓と、
空を切り取る窓があります。
朝、目をさまし、必ず通る場所。
その日の天気や、風を確認できます。
空を切り取る窓には、このほかに特別な役割があります。
それは住む人が、日々感動を感じるためのもの。
これは設計者と、住まい手だけの秘密です。
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