2009年06月02日
左官中塗り、特別な窓。

先日の土曜日は、静岡市「大岩の家」の現場監理でした。
外壁の左官仕上げ、その中塗りがされていました。
この上に仕上げとなる「砂漆喰」が塗られます。
この砂漆喰、真っ白の漆喰の中に、グレーの小さな粒が見えます。
この粒を揃えるために、目の細かい篩(ふるい)をかけます。
落ち着いた白になります。
仕上がりが楽しみです。


さて、窓の位置には細心の注意を払って、設計しています。
窓は、開放感を与えるだけ、ではありません。
人の動きを上手に引き出してくれたり、安心感を与えたり、
広さを感じさせてくれるものだからです。
このキッチンの窓、目の前に隣のアパートが敷地いっぱいに迫っています。
そのため、壁を飛び出して作って、目隠し、
左右の小窓から光と風を引き入れます。
光を感じるには、壁が明るくなる必要があるので、
真ん中が手前にふくらんだ曲面になったアールの壁としています。

階段のあがりきった先には、公園の緑を切り取る窓と、
空を切り取る窓があります。
朝、目をさまし、必ず通る場所。
その日の天気や、風を確認できます。

空を切り取る窓には、このほかに特別な役割があります。
それは住む人が、日々感動を感じるためのもの。
これは設計者と、住まい手だけの秘密です。

この記事へのトラックバック
ここでは朝は朝でした。 夕方みたいな朝ではありません。 夕方はしずかな夕方です。 夜みたいな夕方ではありません。 そして、夜は星いっぱいの空が見えます。 『おそとがきえた!』(...
窓をあけて【ライフスタイルblog彩り】at 2009年06月05日 11:49