2010年05月17日
俵屋。

久しぶりの本棚カテゴリーです。

日本を代表する名旅館「俵屋」。
その「美しさ」と、その「気」が、たくさん詰まった垂涎の一冊です。
俵屋といえば、新館が吉村順三先生の設計。
そして、ボクが24歳の頃、「書生」としてお世話になった
奥村昭雄先生の担当でした。
書生時代は、住み込みですから、毎晩のように先生とお酒を飲みました。
建築の話だけでなく、植物の成長の仕方や、模型飛行機の話、
風車の話、冷製の燻製装置の話など、毎晩遅くまで、楽しかったです。

そのとき、俵屋の話もありました。
国際旅館というのは、格付けがあるんだよ。
おかしな話で、縁側に応接セットがあると格が上がる。
どうにか小さな空間で、つくれないか。
そんなことを考えていたんだよ。
先生の話を思い出しながら、この写真を見ると、なるほどと思うところや、
新たな発見がたくさんあります。
ほんの少しの段差を使って、落ち着いた場をつくるなど、
こんな方法が隠れていたのかと、驚かされます。
そして、なんといっても、当主・佐藤年さんのセンスが素晴らしい...。

写真1点1点に、その気配がにじみ出ています。
さて、この書籍、残念ながら、新品で購入することはできません。
そのため、今ではプレミア価格の値札がついています。
それでも興味がある方は、一冊いかがでしょうか。
Posted by たかだい at 22:11│Comments(0)
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