2012年04月23日
雨の現場。

磐田市「二之宮の家」の現場確認は、雨でした。


外回りの仕事はできませんので、車の台数も少ないものです。


2階吹き抜けの南側の桁は、ひと際大きい梁が入っています。

この部分は、梁同士を組む「渡り顎(ワタリアゴ)」という
伝統的な仕口(シグチ)となっています。


小上がりのタタミコーナーは、床下地の施工をしていました。
突き当たりのところに、掘りごたつ式の書斎カウンターがきます。
その底の床の納まりに、なかなか苦労したという棟梁。


棟梁と、このあと出てくる納まりの話から、カンナの話に。
曲面になる棚板のために、新しくカンナを作ろうと思うとのこと。


このカンナは、逆のアールのもので、このように台が反っています。


カンナの話は尽きないもので、メンタムの周りのカンナのうす削り。
これで、8ミクロンだそうです。

最薄で4ミクロンの記録を持っているとのこと。


聞けば刃物が大好きで、親方からキッチリ切れるように
いつでも研いでおけと言われていたそうです。


研いでいると、砥石とノミの間が真空になるので、
手を離しても、斜めに立っているのだとか。

そして、きれいに研いだノミは、切れ味が落ちない。
逆に、気を抜いたのは、すぐに切れなくなると言います。

雨の現場で、棟梁の話に耳を傾けるというのは、イイ時間です。

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