2006年12月13日
浮き基礎(家づくりその10)

Tさんの家で、浮き基礎工法=地盤置換工法「コロンブス」の施工が始まりました。
※この工法は、地盤の柔らかな層が厚くあることや、
支持地盤に大きな傾斜がないことが、前提条件です。
この敷地ではベストチョイスでも、他では違うこともあります。
さて、地盤の柔らかな層が厚い場合、一般的には「鋼管杭」を採用します。
支持層(堅い層)を見つけて、何本もの杭を打ち込みます。
しかし将来、立て替えの時は、杭の頭をカットして、無かったことにします...

つまり、埋めたまま廃棄です。
全くサスティナブルじゃないですね。
では、「コロンブス」はどうでしょうか。

この発泡スチロールで、土を「置換」します。
もちろん、立て替え時に撤去可能です。
その仕組みはというと、
(建物の総重量)=(排出する土の重量)−(置換する材料の重量)
となるように計算します。

建物が乗ってないときと、同じ状態にするわけです。
理論上、沈まない=不同沈下(傾きながら沈むこと)が起こらない、ということになります。
でも、発泡スチロールって、なんだか心配ですよね。
魚の入った箱のように、もろい感じも...。
しかし、土木の分野では、こうした工法で1972年から使われているそうです。
また、土の1/100の質量でありながら、
鉄筋コンクリート造4階建てを支える性能を持っています。
木造2階建てなら、軽いものです。
それと、副産物として、発泡スチロールが振動を減衰させることから、
免震工法としても、国土交通省に評価されています。
一般的な免震装置は大きな揺れでないと効果がありませんが、
「コロンブス」は微弱な振動も減衰するので、
交通振動の対策としても役立ちます。
しかし、コストは予想以上に掛かります。
そのことを含め、採用には専門的な判断が必要です。