2012年06月20日
古民家再生。

人・建築設計所では、古民家再生にも力を入れています。
静岡県「地域文化財専門家」として養成され、研鑽を積み、活動をしています。
今回は、重要文化財の森町・友田家住宅の現場研修をしました。

建物全体をさや堂で被い解体して、再生します。

古民家の構造計算で知られた滝さんの講習です。
どのようなルートで構造計算を行ったか、詳しく説明いただきました。
この資料はボク等にとっては宝物のように大切なものです。

内部はこのようなカタチで解体しています。

柱や梁などの材は、地元にあったであろう栗材です。

床組です。
大引き土台とも、現代では考えられないような材料を使ってあります。

太さもマバラです。

束石にこうして載っています。
この地域は構造計算でも確かめられたようですが、
地盤が「岩盤」相当ですので、かなり堅いのです。

さて、今回の改修では、耐震改修も行います。
軟らかい構造の民家ですから、その変形角に追従できるもので補強します。

しかも、重要文化財ですので、見えなくなるところで補強しなくてはいけません。
仕口ダンパーを床下になる土台と柱に取り付けます。

こちらは荒壁パネル。

これもまた構造用合板のような強さはないのですが、変形しても粘って支えてくれます。

さて、屋根です。
茅葺きの下地の垂木は、竹と木材の組み合わせです。

軒揃えを入れるために、一本一本の竹のクセを、
ひねりながら合わせて、取り付けます。
この場所も、うまく行かずやり直しになった場所だとか...。

垂木は、縄で結わいてあります。
さて、コワイですが、上にも行ってみます。

ココが棟の部分。
この横架材で小さな屋根を造り、棟を囲う、箱棟という方法。

こんな細い竹も、一本一本番付をして、元に戻すのです。

細かいですよ、重文なんで!

柱にある「ちょうな」の跡、手仕事は美しいです。
さて、この友田家住宅は、人・建築設計所の設計思想にも影響を及ぼした住宅です。
久しぶりに訪れてみて、あのときの感覚を思い出しました。
そういう意味では、原点に立ち返ったようで、楽しめました。
多くのことを建築が教えてくれるのです。
Posted by たかだい at 10:09│Comments(0)
│古民家再生
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