2014年12月10日

旧平野家住宅「森岡の家」保存について。



NHK静岡放送局の静岡建築探訪などで知られる常葉大学の土屋和男 准教授とは、建築士会や文化財専門家として交流があります。
その彼から文化財保護の切実なメッセージが届き、人・建築設計所も協力させていただきます。

浜松市浜北区の旧平野家住宅「森岡の家」の保存活動の件です。

戦火で焼けた浜松には、お屋敷がないと思っていました。
2009年に文化財専門家の育成研修会に参加し、実例3軒を探すだけでも大変苦労したことを記憶しております。

旧平野家住宅「森岡の家」は、こうして残っている数少ない文化財級の建物ですが、浜松市はこれを駐車場とする計画を立て、区協議会に諮問、市議会に上程し、昨年度で一般財産に移行し、今年度解体、伐採の予算を通過させました。

2011年度に、常葉大学の土屋氏グループが文化財的な調査を行い、「貴重である」とする報告書を市に提出しました。
ところが、協議会も議会も報告書の存在を知らなかったことが明らかになり、「市民の会」の賛同者も増えてきました。

そこで、アンケートに答えていただき、さらにご賛同いただける方は電子署名をお願いしたいのです。

浜松市民でなくても結構です。ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

http://moriokanoie.com/
  


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2009年07月05日

こうじやさん。


今日は、安藤忠雄の講演会が浜松・グランドホテルを会場に開かれました。

安藤さんの講演を聴くのは、もう3回目ですが、今回は市民対象ということで、
どんなものか、大変楽しみでした。

でもホントいうと、その会場に行き着くまでと、帰り道、浜松の町中を
お散歩できたことが、より有意義でした。

この建物は、有楽街から西へ向かったところに位置する
「こうじや」さん。


以前は、西を向いて建てられていたといいますが、
戦時中の空襲で焼け、現在の位置に南向きに
昭和23年に建て替えられたといいます。

格子戸が美しいですね。icon02

竣工して50年以上経っていますので、
文化財として、国の「指定」が出来る可能性があります。

こうした古い建物は、日本の文化として、
どのように残していくべきか、考える時代になってきました。

この点については、安藤さんも大阪の例を挙げていましたが、
浜松の市政として、考えていかなくてはならないと思います。icon01

街の風景は、歴史、文化そのものであり、
こうしたものを生かせるかどうか。
成熟した文化では、「問われる時代」になります。

浜松市市長も、安藤節を聞いたと思います。

我々建築家も、どうなるか見守るだけでなく、
そうした隠れた文化を発見し、所見を現し、
地道に発信していきたいと思います。icon11

  


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2008年10月21日

140円の家。


先日、140円で家を提供するというニュースがありました。
しかも、イタリアのこんなに素晴らしい町並みです。

それじゃあ、別荘に1つ買ってみよう!と思い、
サレミ市Vittorio Sgarbi市長のWEBサイトへ。


1ユーロで買えることは確かなようですが、
2年後、その建物を修復することになるそうです。

1968年の地震で破損し、住む人も減り、
その後40年間は悪化の一途のようです。

この建物を買ったら2年後、地元の建設業者、建築家、
インテリアデザイナー、そして、設備業者を雇わなくてはなりません。

「計画の目的は、地域経済を助けるため」ということです。
古い町並みを修復する、素晴らしいアイディアに驚きました。

Vittorio Sgarbi市長は、元美術評論家で文化大臣とのこと。
やりますね〜。

さあ、市所有の3,700軒もの壊れかけた家がどうなるか。
関心がある場合は、市長のWEBサイトからコンタクトしてみてください。

  


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2008年05月01日

旧東海道探訪5。


さて、ようやく東海道探訪の最終回です。
舞阪宿の脇本陣の復元です。icon01

大名クラスが入る玄関と、平民の入り口が分かれています。
唐破風(からはふう・写真右手の小さな屋根)のところが、偉い人。


復元ですが、とっても美しい作りです。
この坪庭の、屋根の競合った部分など感動です。icon05

暗い座敷に、中庭を設え、少しだけ明かりと風を入れる。


そして、小さな小さなグリーン。
こうした空間が、建築を何倍も何十倍も良質なものにしてくれます。

小さな庭の大切さを教えてくれます。
坪庭、是非つくりましょう。icon02

  


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2008年04月20日

旧東海道探訪4。


さて、東海道探訪の4回目です。icon01
今回は舞阪宿、弁天島駅からスタートです。

駅前の歩道の舗装、何かに見えませんか?
実は、弁天島や今切口を現したデザイン。

案内地図の看板の形状も、大鳥居をイメージしているのだそうです。
確かに、言われてみればですね...。icon20


こうした湖畔に面した光景は、
ちょっと日本の風景ではないですね。

変な柵がなくって、好感が持てました。icon02


遠くに見えるのが弁天のシンボル・大鳥居です。
安岐の宮島を模したデザインだとか。

この大鳥居に沈む夕日を取るために、
11月頃からカメラマンで賑わうそうです。icon11


ひな壇状に湖におりられる場所も。
なかなか良いですね〜。icon01


さて、歴史的な物も多く残っている舞阪宿。
これは、北雁木(きたがんげ)の常夜灯です。

雁木(がんぎ)とは、階段状になっている船着き場のこと。
この地方では、ガンゲと呼びます。


階段状ではないですが、船着き場が現在も見て取れます。

北雁木は、大名など位の高い人のつく場所。
新居の関所からこちらへ渡ってくるのです。

「荒井宿に海上一里半」

東海道は旅の歴史です。icon01


  


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2008年04月09日

旧東海道探訪3。


東海道探訪の3回目は新居の町並です。
山門に切り取られた桜がきれいです。icon01

新居の寺社は、1707年の宝永地震で津波が押し寄せたことから、
この小高い丘に移築したそうです。
江戸時代の都市計画です。

明治の廃仏毀釈や統廃合などで、現在は2社5寺が集まっています。


その散策路「寺道」が整備されています。

車も通れない細い小道もあり、
初めての人でも迷わないように、
道に印もありました。icon01


さて、新居は碁盤の目のように道が通っています。
これも江戸時代の都市計画だそうです。
東西に少し太めの道、南北に細い道(↑)となっています。

この細い道を「小路(しょうな)」といいます。

全国のこうした小道を持つ地域が集まって、
「路地サミット」も開かれたそうです。

しかし驚くことに、過去に一度も拡幅工事をしていないのだとか。
建築基準法のいわゆる「2項道路」と思われますが...。icon06


そぞろ歩くと、古い民家が残っています。


そして、至る所に「常夜灯」があります。


「厳島神社」への信仰が多いのだとか。


この「小松楼」は大正時代の芸姑屋さんです。

今、こちらの保存活用をしようとしているそうです。

内部のお掃除と、障子の張り替えは済んだそうですが、
外回りがかなり痛んでいます。

手を入れるにも、ボランティアでは限界があり、
なかなか思うようには行かないようです。


しかし、かつての文化を知る貴重な資料です。
なんとか市民の手で、「合併後」も残していってほしいと思います。icon01

(つづく)



  


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2008年04月06日

旧東海道探訪2。


さて、東海道探訪のつづき、新居宿の旅籠(はたご)「紀伊国屋」です。
表の佇まいを撮影していなかったので、リーフレットから。icon01


こちらは裏門からの写真です。

スケール感の良い小粒な家並の集合体で、
リズム感があって大変すばらしいです。icon02


入り口を入ると、続き間が奥まであります。
明るいことよりも、暗いことの方が上質なんですね。icon22


風呂は、桶には入らずに、手桶で浴びるようにしていたのだとか。

何気なく、由美かおるさんのサインと写真が。
ご一行もお泊まりになったのですね。icon22


さて、みどころ2階の客室です。
天井高が低いですね〜。
しかし、入ってすぐに慣れ、何とも居心地が良いです。icon02


ほら、建具なども美しく収まっています。

この旅籠から、様々なメッセージを受け取れました。

大きい、広い、高い、明るい、などの一見ポジティブなことよりも
小さい、狭い、低い、暗い、といった一見ネガティブなことが、
案外、人のスケールや感覚に「なじむ」のです。

居心地の良さの秘訣とは、こんな要素を上手に使うことなのです。icon01

(つづく)


  


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2008年04月05日

旧東海道探訪1。


今日は「中野町を考える会」メンバーで、旧東海道のまちづくりを参考にと
近在の東海道宿場町の「新居」と「舞阪」を調査してきました。

新居では、新居町都市産業課の担当者の方や、
新居関所周辺まちづくりの会の方々にお世話になりました。
ありがとうございます。icon01

まずは、国の特別史跡「新居関跡」です。

この関所は、日本で唯一現存する関所なのだそうです。


この堀は、右手の石垣までが陸地だったそうです。
左手には浜名湖が広がっていたのですが、
明治になって埋め立てられたそうです。

小さな木グイは、波消しの役割だとか。icon01


瓦には、恐れ多くも「葵の御紋」。
頭が高いです。icon20

東海道では、箱根と並んで重要な関所で、
厳しく改められていたようです。

とくに女性の「あらため女」が、陰険だったとか。icon06

(つづく)



  


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2008年02月23日

まちづくり夜楽塾、発表。


2/20水に、浜松まちづくりセンターにて、「まちづくり夜楽塾」がありました。
『中野町を考える会』の取り組みを、写真とお話でご紹介していただきました。icon01

中野町の隆盛と衰退、その歴史的な背景。
そして現在、町の人たちは祭りを通じてつながり、
そうした連帯感が生み出す風情があるとのお話でした。

国道1号線の拡幅工事で、大変な目にあっているけれども、
この機会にしかできないことを、国土交通省へ打診していきたいとのこと。
意気込みを感じました。
素晴らしい発表だったと思います。icon22

また、写真の内容が興味をかき立てるもので、
その解説を聞くのも、とっても楽しかったです。icon11

中野町の写真展示は、2/28木まで開催されています。icon26

くわしくは、浜松まちづくりセンターへ。
http://www.hamamatsu-machi.jp/center/

  


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2008年01月26日

中野町を考える会、新年会。


今日は『中野町を考える会』の新年会でした。
鈴木康友浜松市長も飛び入り参加いただき、
会は大いに盛り上がりました。icon02

来週2/3日、静岡市・もくせい会館にて、まちづくりで1年間を通じて
活動してきた成果を発表します。

2/20水には、浜松まちづくりセンターにて、「まちづくり夜楽塾」があります。
まちの宝物を再発見し、新たなまちの魅力作りを企てる『中野町を考える会』の
取り組みを、パネル写真とお話で紹介します。
写真展示も、2/15金〜28木に同時開催されています。

まちづくりを身近に感じられると思います。
是非とも、お誘い合わせの上、お越しください。icon01

くわしくは、浜松まちづくりセンターへ。
http://www.hamamatsu-machi.jp/center/

  


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